視覚障害者用補助系アプリをまとめてみました!


OCR・顔認識・画像説明など、AppStore・Playストアでは視覚障害者ユーザ向けの補助系アプリが数多く提供されています。本記事ではそんな補助系アプリの中から、LUCAが普段使いしている、便利なものをまとめてご紹介していきます。日常的にスマートホンをご利用されている方にとっては「何を今更」という内容かもしれませんが、ぜひ知らないアプリがないか、探してみてください。

✳️いつも通り、記事中でご紹介しているアプリ・ソフト等は全てスクリーンリーダーで操作できることを確認してから掲載しています。また、各アプリの操作性解説には一部個人的な意見が含まれています。



ヘッドホンで何かを聞いている男子のイラスト

Envision AI

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最初にご紹介するのは、高速文字認識、人・物の検出、画像説明、色検出、バーコードスキャンまで、人工知能を用いてどんなものでも認識・検出することのできる、万能な視覚補助アプリ、「Envision AI」です。このアプリの特徴は何といっても認識種別の多さと、認識制度の高さです。認識対象の種別はアプリ画面下部のタブバーから選択でき、またそれぞれのタブ内から具体的な検出方法・手段を選べるようになっています。例えば「テキスト」タブの中からはルーペの代わりになる「拡大」、カメラで写すとともに文字を認識・読み上げる「すぐに読み上げをはじめる」、写真内から読み取れる文字を全て書き出す「書類の読み上げ」、ページの多い画像pdf等を一括で文字化できる「複数のページを読む」機能がアクセスでき、用途・状況に合わせて使い分けることができます。

Envision AIはLUCAが使っている補助系アプリの中でも、最も使用頻度の高いものです。サブスクリプション・永久ライセンス共にやや高価ですが、一度使い始めれば手放せなくなってしまうほど便利なアプリなので、ぜひインストールして無料体験に登録してみてください。


TapTapSee

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TapTapSeeは2012年にリリースされた、元祖画像認識アプリの1つです。最近はあまり更新されていないようですが、完全無料(iOS版)で文字・写真・バーコードを認識し、合成音声で読み上げてくれる、利便性の高い補助系アプリです。

このアプリの最大の特徴は1ボタンで自動的に認識対象を判断してくれるところで、カメラを向けて「撮影」ボタンを押すだけで画像内に含まれる色・形・風景・文字・バーコード等を瞬時に識別し、必要な情報を取り出して読み上げさせることができます。同様の機能を持った視覚障害者用アプリが多く販売されるようになった今でも、その認識の早さと使いやすさは群を抜いています。


OCR-pro

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続いては文字認識に特化したOCR(Optical Character Recognition)系アプリ、「OCR-pro」のご紹介です。

OCR-proはカメラで写した活字をテキスト化してくれるアプリで、日本人のデベロッパが開発されているため、他社製アプリに比べて日本語の認識制度が高いように感じます。本記事でご紹介しているのは有料版ですが、広告付きの無料版も同デベロッパからリリースされています。機能的にはEnvision AIで代用可能ですが、認識した文字がプレーン・テキストとして出力されるため、その後のコピー・保存が容易に行えます。


白杖を突いた人のシルエット"

Be My Eyes

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Be My Eyesは人口知能を組み込んだ他社のアプリとは異なり、視覚補助を、支援提供ボランティアとして登録している実際のユーザに依頼することができるアプリです。ダウンロード後、「視覚補助が必要です」ボタンからユーザ登録を済ませれば、困った時にいつでも手の空いている、ボランティアとして登録されている方のサポートを受けることができるようになります。

カメラで身の回りを写しながら実際に晴眼の方の支援を受けられるため、道に迷った、パソコンのスクリーンリーダーがフリーズして動かないなど、AIでは対応し切れないような場面にも活用でき、一人暮らしをされている方にはお勧めの補助系アプリです。

※Be My Eyesのレビューページには、個人情報を詮索された、補助と関係のない質問をされた、道案内のために移した街並みから住んでいる地域を予測・質問されたなど、プライバシー侵害に関する否定的なコメントが多く寄せられているようでした。利用される方は互いにプライバシーを尊重し、視覚補助に関わる情報のみを交換するよう注意してください。


Microsoft Office Lens

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Microsoft Office Lensは文字認識に特化した補助系アプリで、書類だけでなくホワイトボードや手書きの文書に対応しているところが特徴です。また、Microsoft社製なのでOffice系アプリとの互換性が高く、文字認識後のテキストは直接Word・PowerPoint・OneNote・OneDriveなどに送信・保存できるようになっています。

アプリUIのアクセシビリティはあまり高くはないですが、テキスト化した画像をその場で読み上げられるなど、視覚障害者にも使いやすい機能が組み込まれています。


きけるおしながきユーメニュー

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最近では点字のメニュー表を置いている飲食店が増えていますが、まだまだ普及率は高くなく、また目的のメニューを探すのには時間がかかってしまいます。そんな悩みを解決してくれるのが、voiceoverに完全対応した、「きけるおしながきユーメニュー」です。

このアプリでは数多くのチェーン店をカテゴリ別に検索し、スクリーンリーダーでナビゲートしやすい、シンプルなレイアウトに調節されたメニューの一覧を閲覧することができます。iOS・Android用アプリ共に情報がやや古いですが、ウェブ版や公式Twitterアカウントでは最新のメニューを無料で確認できるようになっています。

UDCast

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視覚補助の中でも、趣味・娯楽を支援するアプリが政策され始めています。その中でも、リアルタイムで音声解説を聞きながら映画を見れるのが、「UDCast」です。マイクで拾った映画のサウンドに合わせて保存済みの開設を再生するためタイムラグは最小限で、視覚障害者でも映画を楽しめるような工夫が詰め込まれています。

映画のオーディオファイルに音声解説を付けて提供されているシネマデイジーなどもありますが、UDCastでは解説のオーディオファイルのみを扱うため、最新の映画に対応しています。LUCA自身はまだ映画館で利用したことはありませんが、これからは視覚障害者でもスマホ片手に、気軽に映画を見に行けるようになりそうです。


YouDescribe

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こちらもUDCastと同様に視覚障害者が容易に動画を閲覧できるように開発された、「YouDescribe」というアプリです。これはユーザが既存のYouTube動画に独自の音声解説を吹き込むことのできるもので、PV、ショートフィルム、教育、コメディー、アクセシビリティ、動物動画など様々なカテゴリ・ワードから好きな動画を検索できるようになっています。

YouDescribeは英語のアプリで、残念ながら今のところ日本語の動画は投稿されていません。ですが、Be My Eyesのようなコミュニティベースのアプリなので、UDCastとは少し違った、温かみのある解説音声を聞きながらYouTubeを楽しめる、ユニークな補助系アプリだと思います。


点字でFAと書かれたイラスト

これなにメモ

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「これなにメモ」は身の回りのものに音声の目もを付けられるアプリで、まるでラベルを貼るように、簡単に撮影したものにメモを設定することができます。

使い方は簡単で、操作方法等は全て視覚障害者にもわかりやすいよう、具体的に説明されています。基本的に「登録」画面からメモを設定、「認識」タブから設定済みの目もを聞くようになっています。似た形の服、CDケース、商品のパッケージなど、触覚だけでは判断できないものを簡単に管理できるのでお勧めです。


OTO-Mii(オトミィ)

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「OTO-Mii」は視覚障害者の利用を想定して開発された歌詞検索アプリです。カラオケの練習アプリやカラオケリモコンの代わりになるアプリなど視覚障害者の1人カラオケを支援してくれるアプリはいくつか提供されていますが、このアプリではカラオケの演奏に合わせてvoiceoverのカーソルを移動、該当箇所に読み上げを同期してくれるという、非常に便利な機能が備わっているんです。

アプリを起動、文字入力またはハミング認識で曲を検索、歌詞の詳細表示を開くと、再生されている音楽に合わせて、一歩先の歌詞を読み上げてくれる「歌詞先読み機能」にアクセスできます。この機能を使いこなせれば、メモや点字機器を持ち歩かなくても、カラオケで好きな曲を歌えるようになります。


ミライロID

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「ミライロID」は身体障害者手帳を電子化するためのアプリで、予め登録・撮影した障害者手帳のデータをそのまま代用できるようにしてくれます。補助系アプリとは少し違いますが、普及すれば障害者手帳を持ち歩かなくても済むようになるかと思い、ご紹介することにしました。

使い方は簡単で、初回起動時にユーザ情報・障害者手帳の写真を登録すれば、その後は画像を定時するだけで紙の手帳の代わりに使えるようになります。まだ対応施設数は少ないようですが、今後に期待です。


Blind Square

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長年スマートホンを使われている視覚障害者ユーザにはお馴染みの補助アプリかと思いますが、最後にアクセシブルな地図・ナビゲーションアプリである、「Blind Square」をご紹介します。

住所を入力する他のマップアプリとは異なり、Blind Squareでは行きたいお店・施設をカテゴリ別・距離別に検索し、ワンクリックで店舗情報の閲覧・目的地の設定をすることができます。また、ナビゲーションの際には他社アプリへの引継ぎなどもでき、最大限視覚障害者に配慮してくれています。


便利な補助系アプリはまだまだありますが、読み切れないほどの数になりそうだったので、今回は12個に絞ってご紹介しました。視覚障害者ユーザの方は、ぜひ以上のようなアプリを使いこなして、日々の生活に取り込んでみてください。


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