Be My Eyes🆚スイフトアイ
~視覚障害者用画像認識アプリTop2を徹底比較!~
Envision AI、Seeing AI、Piccy Bot等様々な視覚障害者向け画像・文字認識アプリがリリースされてきた中、その汎用性の高さと使いやすさから長年多くのVoiceOverユーザに使われてきた「Be My Eyes(ビーマイアイズ)」。
使用感の面でこれに叶うアプリはなかなか登場しないのではないかと思われていましたが...そう、今や国内ではBe My Eyesと並び立つほどの高評価を受け、ユーザ数が急増している「スイフトアイ」という画像認識アプリが3月、Yoshiyuki Koyanagiさんにより開発・公開されたんです。
そんな訳で今回の記事では、知名度トップ2の視覚障害者向けアプリ「Be My Eyes」と「スイフトアイ」の機能を徹底比較していきたいと思います!
🦮 今回ご紹介するアプリはどちらも視覚障害者用に開発された支援アプリなので、勿論VoiceOverには完全対応しています。
なお今回は両者をしっかりと比較できるよう、共通しているプラットフォームであるiOSアプリについてのみ触れていきたいと思います。
■基本情報
本題に入る前に、まずは両アプリを知らない/使ったことがないという方向けに、Be My Eyesとスイフトアイのアプリ情報をご紹介します。
❤ Be My Eyes
- アプリ名
- 「Be My Eyes」
- ダウンロードリンク
- ・iOS/iPadOS: AppStoreからダウンロード
- ・Android: Google Playからダウンロード
- ・Windows: Microsoft Storeからダウンロード
- 開発者
- Be My Eyesチーム
- 価格
- 無料(アプリ内課金なし)
- iOSアプリのバージョン(記事執筆時)
- 6.4.1
- 主な機能
- ・視覚障害者を支援するボランティアと補助を必要としている視覚障害者をビデオ通話で繋ぐ
- ・AI(ChatGPT)により撮影された写真や共有された画像の内容を説明する
- ・撮影/共有された画像に関する追加質問へ回答する
🤍 スイフトアイ
- アプリ名
- 「スイフトアイ」
- ダウンロードリンク
- ・iOS/iPadOS: AppStoreからダウンロード
- 開発者
- Yoshiyuki Koyanagi
- 価格
- 無料(アプリ内課金なし)
- iOSアプリのバージョン(記事執筆時)
- 1.4
- 主な機能
- ・AI(Google Gemini)により撮影された写真や共有された画像の内容を説明する
- ・撮影/共有された画像に関する追加質問へ回答する
- ・認識させた画像を写真アプリへ保存する
- ・シャッター音の有無や画像の保存形式を設定する
アプリ情報については以上です。両者の最大の違いは組み込まれているAIモデルの種類と、追加機能/設定の内容といったところでしょうか。それでは次項からそれぞれの機能・強味などについて比較していきたいと思います。
■画像認識・フィードバック精度
まずは両アプリの主機能である、画像認識と認識結果/回答のフィードバック精度について比較していきたいと思います。
なお下記の結果にLUCAの個人的な意見が多分に含まれてしまっている点、全盲のため外観に関する評価ができない点、利用シーンによって状況が異なる可能性がある点等、ご了承いただければ幸いです。
❤ Be My Eyes
- (1) 認識速度
- ・評価: ★★★☆☆(3/5)
- ・補足: 一般的な部屋の風景(下記スイフトアイと同じ)を撮影した際の所要時間は約12秒と、特別長い訳ではありませんがやや待たされているように感じてしまう程度でした。
- (2) 認識精度
- ・評価: ★★★★★(5/5)
- ・補足: 画像・文字共に認識精度は非常に高いです。傾向としては画像全体の雰囲気と主役(主に中央に映っているもの/文字)の説明が多めで、デフォルトで人間味のあるコメント等が組み込まれていることも多いようです。
- (3) 質問への回答速度
- ・評価: ★★★★☆(4/5)
- ・補足: 認識速度を計った画像にて下記スイフトアイと同じ、簡単な質問を送信した際の所要時間は約3秒でした。
- (4) 質問への回答内容
- ・評価: ★★★★★(5/5)
- ・補足: 回答の精度は非常に高く、入力された指示にも忠実に対応してくれます。認識結果と同様、追加の指示がない場合の回答には画像全体の雰囲気・画像から受ける印象といった人間味のある補足情報が付け足されることが多いです。
- (5) 出力画面の使用感
- ・評価: ★★★★☆(4/5)
- ・補足: 画面の構成がシンプルで出力結果がすぐに読み上げられるため会話の内容は確認しやすいです。また「Actions」ボタンから簡単に会話の共有などが行えるところが便利な一方、ユーザの送信した質問とAIからの回答が区別しづらい点、会話内容をコピーするのに長押し/スワイプ操作が必要な点などが少し気になります。
🤍 スイフトアイ
- (1) 認識速度:
- ・評価: ★★★★★(5/5)
- ・補足: 一般的な部屋の風景(上記Be My Eyesと同じ)を撮影した際の所要時間は約5秒で、実感としても殆ど待たずに結果を得られる印象でした。
- (2) 認識精度
- ・評価: ★★★★★(5/5)
- ・補足: 画像/文字の認識精度は極めて高く、Be My Eyesと比べて画像の細部まで説明してくれる印象です。ただ画像全体の印象といった補足情報はやや少なく、人によっては機械的に感じてしまう可能性があります。
- (3) 質問への回答速度
- ・評価: ★★★★★(5/5)
- ・補足: 認識速度を計った画像にて上記Be My Eyesと同じ、簡単な質問を送信した際の所要時間は約2秒でした。
- (4) 質問への回答内容
- ・評価: ★★★★★(5/5)
- ・補足: 回答の精度はBe My Eyesと同様非常に高く、やはり入力された指示にもしっかりと対応してくれます。追加の指示がない場合の回答内容はBe My Eyesと比べて少なめではありますが、その分必要な情報をピックアップして端的に伝えてくれる印象です。
- (5) 出力画面の使用感
- ・評価: ★★★★☆(4/5)
- ・補足: 会話の内容それぞれに数字・ラベル・コピーボタンが提供されており、非常に確認・操作がしやすい設計となっています。機能面ではBe My Eyesで利用できる会話の固定/共有機能が搭載されていない代わりに画像の保存機能が提供されている状況です。
主機能の比較は以上です。両者の特徴をまとめると、
- ・認識/出力速度⇒スイフトアイ
- ・全体的な特徴の把握⇒Be My Eyes
- ・細部の解説精度⇒スイフトアイ
- ・出力結果全体の保存/共有⇒Be My Eyes
- ・各回答・認識した画像の保存⇒スイフトアイ
という結果になります。
因みに個人的にはイラストや風景などの全体像を知りたいときにはBe My Eyesの人間味のある出力が、記事やウェブページなど細部の特徴まで知りたい時にはスイフトアイの端的且つ具体的な出力が適しているように感じています。
■便利機能・強味
続いては単純な比較が難しい、便利な付属機能について両者の違いを見ていきたいと思います。
❤ Be My Eyes
- (1) 「ボランティアへの通話」へのシームレスな移行
- 最近になってAI認識機能を搭載したBe My Eyesですが、元々の機能としては「ボランティアとして登録している晴眼者へのビデオ通話」が基本となっています。
- この機能は画像/文字認識機能の「ビーマイAI」からも容易に呼び出せるようになっており、追加質問画面から「ボランティアへ通話する」を選択することで、問題が解決しなかった場合でもシームレスに人的サポートを受けられるようになっています。
- (2) 会話の保存
- 前項でも触れた通りBe My Eyesでは追加で行った質問とAIからの会話をまとめて保存・共有する機能が搭載されています。
- 特にビーマイAIトップ画面から呼び出せる「History」画面からは全履歴・保存済みの会話・共有済みの会話を一覧表示・参照できるため、一度認識してもらった内容を再度確認したい時・知り合いに画像の内容を教えてあげたい時などにはとても便利です。
🤍 スイフトアイ
- 1. 使いやすい設定項目やオプション
- スイフトアイはAI認識に特化している分、撮影・保存にかかる設定項目やオプション機能が豊富に提供されています。
- 例えばトップ画面からアクセスできる設定欄ではシャッター音の有無や画像を保存する際のフォーマットが選べる他、撮影画面からは手動でフラッシュライトの切り替えが行えるなど痒いところに手が届くような機能が充実しています。
- (2) 画像保存機能
- やや1つ目のポイントと重複してしまいますが、認識させた画像をそのままキャプション(代替テキスト)付で保存できるスイフトアイの設計は用途によってとても利便性が高いものとなっています。
- 例えばSNS/ブログ等で使いたい写真を選ぶ場合、通常であれば気に入る画像だとわかってから「認識画面を閉じる」⇒元のアプリ/ブラウザに戻る」⇒「認識させた写真を長押しして『共有』や『保存』を選択」といった手順を踏まなければならないところ、スイフトアイであれば会話画面から離れることなく1タップで画像の保存を行うことができます。
付属機能についての比較は以上です。
なおアプリ本体の機能ではないですが、Be My Eyesは考察記事や解説動画などが多い点、スイフトアイは開発者さんが日本の方なので日本語のアプリ情報・サポート記事が豊富な点も特徴ですよ。
■まとめ
さて、今回は老舗視覚障害者支援アプリの「Be My Eyes」とリリース直後にも関わらず日々人気が高まっている「スイフトアイ」の機能を比較してきましたが、如何でしょうか。
今回はごく単純な検証しか行っていないため受ける印象等は状況によって異なるかもしれませんが、個人的にはイラストや風景写真など全体的なイメージを知りたいものにはBe My Eyes、記事やニュースのスクリーンショット・細かな情報を知りたい写真にはスイフトアイが向いているように感じました。とはいえどちらのアプリでも追加のプロンプトにより更に具体的な説明や感情のこもった回答を得ることもできるので、やはり実際に使用感を試してみてお好みのものを選ぶのが良いのではないかと思います。
P.S. 最後に少しだけLUCAの利用状況をご紹介: LUCA自身はこれまでBe My Eyesばかり使ってきていたのですが、今ではシャッター音切り替えや画像保存機能が便利で、基本的にはスイフトアイをカメラコントロールに割り当てて使っています。
今回ご紹介した以外にも多くの画像認識サービスが提供されていますので、皆さんもぜひお気に入りのアプリを探してみてください。