フリーのスクリーンリーダー、NVDAのおすすめ設定・アドオンをご紹介! Ver.2
以前にスクリーンリーダー「NVDA」のお勧め設定・アドオンをご紹介してから早3年以上...あれ以来、管理人のLUCAは完全なNVDA派になっています。
当時からは仕様変更・機能追加を経てNVDAの使用感も大きく変わってきていますので、今回の記事では、改めて現在のバージョンに合った操作方法・アドオン等をご紹介していきたいと思います。
※本記事では前回ご紹介したお勧め設定についても改めて解説しますので、あえて3年前の内容を読み返していただく必要はありません。ただアドオンについては新しいもののみを取り上げたいと思いますので、以前に掲載していたアドオンが気になる方はぜひこちらからご覧ください。
🟥お勧め設定
それでは早速、NVDAを使いやすくしてくれるお勧め設定についてご紹介していきたいと思います。
なお、まだNVDAを使ったことがなく、今回初めて試してみたいという方はWindows搭載端末でこちら(遷移と同時にダウンロードが始まります)にアクセスしてください。
- ※NVDA設定の開き方:
- 本項でご紹介している設定項目を開くには、NVDAキー(デフォルトではインサートキーや無変換キー)+nでNVDAメニューを開き、上下矢印キーで「設定」まで移動します。
- Enterキーで選択すると「設定」・「読み上げ辞書」等各種設定メニューが表示されますので、必要に応じて項目を選択してください。
- なお「設定」や「入力ジェスチャ」等NVDAの設定画面の多くでは遷移と同時にカテゴリ選択のためのツリービューが表示されます。ここではEnterキーを押下してしまうとメニューが閉じてしまいますので、必ず矢印キーでツリービュー内を移動し、Tabキーで選択した項目の設定へ入るようにしましょう。
○ブラウズ・操作関連
- (1) ブラウザー・アプリ内の操作/読み上げ
- ・矢印キーで文中のリンクが選択できるようにする: 「設定」⇒「ブラウズモード」で「サポートされている場合は画面レイアウトを使用」をオフにする
- ・テキストフィールド等のフォームが自動で選択されないようにする: 「設定」⇒「ブラウズモード」で「フォーカスの変化を追跡する自動フォーカスモード」をオフにする
※この設定に変更した後はEnterキーでフォームを手動選択できるようになります。 - ・リストの読み上げを単純化する: 「設定」⇒「オブジェクト表示」で「オブジェクト位置情報の通知」をオフにする
- ・表状レイアウトをわかりやすくする: 「設定」⇒「ブラウズモード」で「レイアウト目的のテーブルを区別しない」をオンにする
- (2) マウス・キーボード関連
- ・NVDAキーを追加する: 「設定」⇒「日本語設定」で「変換をNVDA制御キーとして使用」及び「無変換をNVDA制御キーとして使用」をオンにする
- ・適切なキーボードレイアウトに設定する: 「設定」⇒「キーボード」で「キーボード配列」の値を利用中の環境に合わせて設定する
- ・マウスでホバーした項目を読み上げるよう設定する: 「設定」⇒「マウス」で「マウスカーソル位置のオブジェクトの報告」をオンにする
○読み上げ関連
※NVDA2025.1ではデフォルト設定になるそうです。
○その他の設定
- (1) ログイン画面の読み上げ
- ・サインイン画面で普段の設定を用いて読み上げさせる: 「設定」⇒「一般」で「サインイン画面で NVDA を起動(管理者権限が必要)」にチェックを入れてから「現在保存されている設定情報をサインインおよびセキュアデスクトップで使用(管理者権限が必要)」を選択する
- (2) その他の設定
- ・スクリーンカーテンの有効化(ショートカットも設定可能): 「設定」⇒「ビジョン」で「画面を黒にする (即時に有効)」をオンにする
○入力ジェスチャ
「入力ジェスチャ」設定を使えば、NVDAのあらゆる機能に設定されたキー操作・ショートカットキーをカスタマイズすることができます。
例えばスクリーンカーテンの切り替えにデフォルトとは異なるコマンド「NVDA+Shift+c」を割り当てる場合の設定方法は下記の通りです。
- (1) NVDAメニュー⇒「設定」⇒「入力ジェスチャ」へ移動する
- (2) ツリービューで「ビジョン」⇒「スクリーンカーテンの切り替え」へ移動し、Tabキーで「追加」まで移動・選択する
- (3) ポップアップが表示されたら登録したいキーの組み合わせを実際に押す
- (4) 登録先レイアウトを訪ねるポップアップが表示されたら任意の項目を選択する
- (5) Tabキーで「OK」まで移動し選択する
なおアドオンで提供されているショートカットキーも同様の手順で変更することができます。
○読み上げ・句読点辞書
NVDAメニュー⇒「設定」⇒「読み上げ辞書」/「句読点/記号読み辞書」からはそれぞれ単語・記号の読み方を変更することができます。
どちらの画面でも基本的にTabキーで「追加」や編集」を選択することで読み上げ方を調整することが可能です。
なお本項ではお勧めの設定として、句読点をそのまま読み上げるのではなく、自然な息遣いで読み上げてくれるようになる設定方法をご紹介します。
- (1) NVDAメニュー⇒「設定」⇒「句読点/記号読み辞書」へ移動する
- (2) 「記号一覧」内から上下矢印キーで「文末の丸」を選ぶ
- (3) Tabキーで「最低読み上げレベル」まで移動し、「ほとんど読み上げ」に設定する
- (4) Tabキーで「音声エンジンに記号を送る」まで移動し、「必ず送る」に設定する
- (5) 同じ手順を「記号一覧」の「文中の点」・「文末の感嘆符」・「文末の疑問符」・「。」・「!」・「?」それぞれに適用する
上記手順を行うと日本語の文章内で句読点・感嘆符・疑問符のある個所は全て自然な息遣い・アクセントで読み上げられるようになるので聞き取りやすさが一気に向上するかと思います。
🟧お勧めアドオン
お勧め設定について一通りご説明したところで、続いてはNVDAのお勧めアドオンをピックアップしてご紹介したいと思います。
なお3年前に記事を投稿した時と違い、現在のNVDAのバージョンでは下記の通り容易に「アドオンストア」からアドオンの検索・追加が可能なので、ダウンロードリンクは非公式のものについてのみ記載したいと思います。
- ※アドオンストアの使い方:
- アドオンストアを利用するには、まずNVDAメニューを開き「ツール」から「アドオン ストア」へ移動します。
- アドオンストアが開くとまずは「インストール済みのアドオン」というページが開き、現在利用中のアドオンが一覧表示されます。ここでは「アクション」ボタンからアドオンの削除や無効化/有効化を行うことができます。
- タブを切り替えて「更新可能なアドオン」ページに移るとアドオンの更新が、また「利用可能なアドオン」ページに移ると現在入手できる公式アドオンの検索やダウンロードが行えるようになっています。
- 本項でご紹介しているものを含め、新しいアドオンをダウンロードしたい場合には「利用可能なアドオン」ページで検索バーに目的のアドオン名を入力して一覧表示から任意の項目を選びましょう。「アクション」ボタンから「インストール」を選べばすぐにダウンロードと適用が開始されます。
- アドオンの削除・無効化・更新・インストール等が完了したらアドオンストアを閉じ、指示に従ってNVDAを再起動してください。
○Autoclip
最初にご紹介するのは文字列をコピーした瞬間にクリップボードの内容を自動的に読み上げてくれる「Autoclip」です。目的の文章を正しくコピーできたかの指標にもなるので、シンプルでありながらとても便利なアドオンかと思います。
なおインストール後のデフォルト設定では自動読み上げがオフになってしまっているので、かならず
- ・「設定」⇒「Autoclip」で「Remember automatic clipboard reading after NVDA restart.」をオンにする
- ・「ツール」⇒「Automatic clipboard reading」にチェックを入れる
の2つの設定を行うようにしましょう。
○Clip Manager
2つ目もクリップボード関連、任意のショートカットキーでクリップボードの履歴を表示してくれるアドオンです。
履歴一覧は上下矢印キーで参照・Enterキーで再度コピーできるようになっており、保存する件数等は「設定」⇒「Clipboard History Settings」から、呼び出すためのショートカットキーは入力ジェスチャページから調整・変更できるようになっています。
○Speech History
こちらは管理人のLUCAが最もよく利用している、読み上げの履歴を簡単に参照・コピーできるようにしてくれるアドオンです。
入力ジェスチャ設定で「音声」カテゴリ内にある「Review the previous item in NVDA's speech history.」(1つ前の読み上げ履歴へ)・「Review the next item in NVDA's speech history.」(1つ後の読み上げ履歴へ)・「Copy the currently selected speech history item to the clipboard...」(現在選択されている読み上げ履歴/最新の読み上げ履歴をコピー)の3つのショートカットキーを設定することで過去に読み上げられた内容を自由に参照・コピーすることができるため、例えば瞬間的に読み上げられて消えてしまったダイアログやエラーメッセージを見返すといった使い方も可能です。
なおこちらも「設定」⇒「Speech History」から保存しておきたい読み上げ履歴の件数等を変更できるようになっているので、用途・端末のスペックに合わせて調整しましょう。
○時刻報告拡張
続いては3年前の記事でもご紹介した「陸の部屋」という個人の開発者さんが運営されているサイトで公開されている、時報アドオンです。
元々NVDAでは「現在の時刻を報告・2回押すと現在の日付を報告」という機能がNVDA+F12に割り当てられているのですが、こちらのアドオンを使うとこの時読み上げられる日時のフォーマットや挙動を自由に設定できるようになるんです。
更にNVDAの設定ダイアログから有効化し音源ファイルを選ぶことで、1時間おきの時報を設定することも可能です。
なお公式アドオンではないので、こちらのページから直接ダウンロード・実行して適用しましょう。
○Input Lock
ラップトップで文字入力・キー操作を行う際、タッチパッドやマウスに手が触れて気づかないうちにカーソルが移動してしまったという経験はないでしょうか。
「Input Lock」を使えば「全入力」・「マウスのみ」・「タッチパッドのみ」の3種類の入力方式をショートカットキー1つで無効化できてしまうんです。
入力ジェスチャページで「Toggle input lock」(全入力)・「Toggle mouse lock」(マウス)・「Toggle touchpad lock」(タッチパッド)それぞれに任意のショートカットキーを割り当てて利用しましょう。
○Emoticons
スマートホンと比べ、絵文字パネルや変換候補から絵文字を選ぶのが難しいWindowsですが、こちらのアドオンを使えば簡単に絵文字を選択・挿入することができるようになります。
使う時にはまずデフォルトのショートカットキー(NVDA+i)でEmoticonsのウィンドウを表示させ、「Filter」欄に英語で検索ワードを入力します。
続いてTabキーで一覧へ移動し任意の絵文字をEnterキーで選択すると、対象の絵文字がクリップボードに保存され、ウィンドウが自動的に閉じるようになっています。
○リモート
こちらは当時から表示名が変わっているものの、以前に本サイトでご紹介したことのある「NVDA Remote」と同じものです。
事前に「ツール」⇒「リモート」から接続先の設定をしておくと1クリックでNVDA搭載のパソコンを他のデバイスから遠隔操作できるようになるため、これまでは必須アドオンの1つでした。
ただ時期バージョンのNVDA2025.1からはこちらの機能がNVDA事態にデフォルトで搭載されるようになることが発表されており、今後ダウンロードして使うということはなくなりそうです。
○AquesTalk シンセサイザー
最後にご紹介するのは3年前の記事でも掲載した無料の音声エンジン、「AquesTalk」です。
こちらは「時刻報告拡張」と同様「陸の部屋」で公開されているアドオンなのですが、リリース当初から定期的にアップデートが行われており、常に最新版のNVDAに対応してくれています。
「AquesTalk シンセサイザー」の声を使うにはまずこちらからアドオンファイルをダウンロード・適用した後、通常通り「設定」⇒「音声」からエンジンを選択しましょう。
なおAquesTalkは動作がとても軽いため、LUCAはリモート環境等デフォルト設定のVocalizerがもたついてしまう際にショートカットキーから設定プロファイルを切り替えて利用しています。
🟨まとめ
さて、今回の記事では3年前から設定・操作方法が更新されてきているフリーのスクリーンリーダー「NVDA」についてお勧め設定やアドオンをご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。
今回は基礎的な設定や無料のアドオンのみをピックアップしてご紹介しましたが、NVDAは現在日本で利用されているスクリーンリーダーの中でもカスタマイズの幅が最も広いソフトとなっています。より高度な設定項目・有料の高性能アドオンなどもありますので、ぜひお好みの使い方を見つけていっていただければと思います。