主要ネット小説公式リーダー
iOSアプリのアクセシビリティ/ ユーザビリティをまとめて調査!
実は一般に発行・販売されている小説に限らず、ネット小説も好んで読むことが多い、管理人のLUCA。
普段はブラウザ経由で「小説家になろう」や「カクヨム」を利用することが多いのですが、公式にリーダーアプリが提供されていることを知り、最近ではiPhoneアプリから読書することが増えてきました。
そこで今回は主要ネット小説サービスのうち、公式アプリを公開している4つをピックアップし、アクセシビリティとユーザビリティを評価してみようと思います。
※今回はリーダーアプリ/機能、つまり読者側の機能についてのみ調べています。投稿機能についてはアクセシビリティが確保されていない場合がありますのでご注意ください。
それでは早速本題、各サービス・アプリのアクセシビリティ・ユーザビリティについてご紹介していきます。
なおアプリごとに「評価」欄を設けていますが、こちらはLUCAの個人的なレビューであり、AppStoreの評価とは一切関係ありません。ご了承ください。
📖小説家になろう
□基本情報
概要: 2004年に開設、2010年から株式会社ヒナプロジェクトにょり法人化された歴史の長いネット小説サイト。「なろう系」という造語が流行るほど異世界・ファンタジー小説が多く、また登録者数も2025年で約280万人と極めて多い。
□アクセシビリティ
- 評価:
- ★★★☆☆(3/5)
- コメント:
- とても使いやすくアクセシビリティの高い公式サイトとは対照的に、まだ記事執筆時の4か月前にリリースされたばかりのiOS用アプリではVoiceOver対応は最低限といった印象です。
- タブバーや作品詳細、初め/続き/未読から読むといった必要最低限のボタン類はなんとか読み上げられているものの、ブックマークフォルダの切り替え、ランキングやブックマークの並び替え・整理、共有メニューなどは一切ラベリングされていない状況です。
- その他読書画面では背景にフォーカスが当たってしまい文章に戻りづらいといった問題もあり、全盲ユーザにはやや難ありといった状態かもしれません。
- 一方で色合い・フォント等各種表示設定は容易に切り替えられるため、弱視ユーザへの配慮についてはされているように見受けられます。
□ユーザビリティ
- 評価:
- ★★★☆☆(3/5)
- コメント:
- ユーザビリティの観点からみても、小説家になろうアプリの機能はやや不十分に感じられてしまいます。
- 次のページに進むためのボタンがページ最下部にしかない、バックグラウンド処理が不十分で少しアプリを離れている間に小説が閉じられてしまう、作品を探すための手段がとても少ないなどまだ粗削りなところが多くみられ、今後の修正・機能追加に期待したい状況です。
- とは言え更新順にブックマークを開き未読部分のみを読み進められるというのは便利なポイントで、現状でもブラウザと併用する分には使いやすいのではないかと思います。
📖カクヨム
□基本情報
概要: 2016年からKADOKAWAが運営しているネット小説投稿・閲覧サービス。まだ比較的新しいサービスということもあり登録者数は2025年時点で130万人と多くはないものの、出版社主導のコンテストやユーザへの広告収益還元制度など幅広いバックアップ体制が強味となっている。
□アクセシビリティ
- 評価:
- ★★★★★(5/5)
- コメント:
- カクヨムアプリはVoiceOverとの相性が良く、タブバー・各種ボタン類・入力フィールドなど大部分の要素が問題なく読み上げられる状況となっています。検索画面などで作品タイトルに見出しが設定されているのもうれしいポイントです。
- また読書画面では上部メニューからテキストサイズを容易に変更できるようになっているため、弱視ユーザ向けのアクセシビリティも確保されていると言えるでしょう。
□ユーザビリティ
- 評価:
- ★★★★☆(4/5)
- コメント:
- 操作性について、必要な機能は一通り揃っている印象です。
- VoiceOver使用時のページ移動手段が少ないという点がやや惜しいですが、読書・ブックマーク管理・作品検索・応援/共有等ブラウザと同等の機能が全て備わっているのはとても便利です。
📖アルファポリス
□基本情報
概要: Webから商業出版への導線が確保されている、出版社系の投稿サイト。恋愛やライトノベル系に強い傾向があり、具体的な登録者数・作品数のデータはないものの大規模なネット小説サービスとなっている。
□アクセシビリティ
- 評価:
- ★★☆☆☆(2/5)
- コメント:
- 多機能でよく作りこまれているアプリであるのに、残念ながらアクセシビリティについては低いと言わざるを得ません。
- 作品のフィルタリングや画面遷移、しおりやリアクションの追加等必要なボタンの大半がラベリングされておらず、一切用途の想像がつかないものばかりという状況です。
- 弱視ユーザ向けの表示設定などはしっかり対応しているものの、全盲ユーザにとっては極めて使いづらい状況で、事前に晴眼者に確認してもらった上でカスタムラベルを設定する必要があるのではないかと思います。
□ユーザビリティ
- 評価:
- ★★★★★(5/5)
- コメント:
- アクセシビリティとは反対に、ユーザビリティは非常に高水準です。
- ラベリングされていないためにVoiceOverでは利用しづらい状況ではありますが、リアクションやブックマークの追加、各種表示設定などブラウザと同等の機能は全て利用できる状況です。
- 特にページフリップ・しおり追加等主要機能が読書画面内ツールバーから呼び出せるのはとても便利なポイントです。
📖エブリスタ
□基本情報
概要: 2010年に開設された、小説・コミック・エッセイなど総合UGC型投稿サイト。具体的なデータはないものの作品数はトップクラスとされ、幅広いジャンルの小説を楽しむことができる。
□アクセシビリティ
- 評価:
- ★★★★☆(4/5)
- コメント:
- アプリ全体を通して必要なボタンのラベリングがされている点・読書画面での表示設定が充実している点など基本的なアクセシビリティは確保されているため、全盲・弱視ユーザでもストレスなく操作できるようになっているのではないかと思います。
- ただ一部ボタン・リンクのラベルや識別性(操作可能であるかの判断がつくか)が不十分な箇所がある他、各ページの文書が一括でフォーカス/読み上げされてしまう点がやや不便に感じられます。
□ユーザビリティ
- 評価:
- ★★★★☆(4/5)
- コメント:
- ブラウザと同等の機能が利用できる点、本棚の管理がしやすい点などユーザビリティは比較的高い印象です。
- ページ移動用のボタンが複数用意されているところも便利で、非常に操作しやすいアプリになっています。
- 一方で広告が占める範囲が広い、作品詳細や読書画面でおすすめタイトル等余剰コンテンツが多く表示されるなどスクロール・フォーカス移動が過剰に求められてしまう点が少し使いづらく感じられます。
📖まとめ
さて、今回は主要なネット小説アプリのアクセシビリティ・ユーザビリティをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
サービスごとに登録作品の特色にも違いがあるため選ぶアプリは好み次第というところもありますが、単純にアクセシビリティ/ユーザビリティ上の比較では一番歴史の浅い「カクヨム」が最も高得点という結果になりました。
とはいえ、どのアプリも探した小説をVoiceOverで読むといった基本操作は問題なく行えるため、ネット小説に興味のある方はぜひそれぞれ試してみていただければと思います。