スクリーンリーダー初心者向け🔰
~iPhone/Android標準搭載の視覚障碍者用認識機能をご紹介~


VoiceOverやTalkBackで使える便利アプリをご紹介することの多い本サイトですが、今回は初心に返って、iPhone/iPadの「ライブ認識」機能とAndroidの「Lookout」アプリ、それぞれの機能概要と使い方についてご紹介したいと思います。

スクリーンリーダー初心者の方、iPhone/Android間の機種変更で操作性の違いに慣れない方など、ご参考にしていただければ幸いです。

🦮 記事中の情報は2025年8月現在、iOS 18.6及びAndroidOS 15を基準としたものです。


グレーの長袖シャツと黒いスカートを身に着けた、黒髪碧眼の女性が白杖を片手にスマートホンを操作しているイラスト。

1️⃣前提: iPhone/Androidの認識機能について

本題に入る前に、まずは今回ご紹介するiPhone/Androidの認識機能の概要についてご紹介します。各機能の使い方から確認したい方は次項からご覧ください。

まず、今回ご紹介するiPhone/iPadの「ライブ認識」とAndroidの「Lookout」はどちらも視覚障碍者の支援を目的に開発・導入された機能で、主にカメラで写した風景・物体・文字等をリアルタイムで読み上げ教えてくれるものです。

次項からご紹介する通り対応機能にはやや違いがありますが、日常的に読み上げ機能を利用するユーザでなくても気軽に使えるよう、VoiceOver/TalkBackが無効の状態でも使える、独立した機能として搭載されています。

ライブ認識・Lookoutの対応状況については下記の通りです。

🍎 ライブ認識

1. 対応端末/OS
・iOS 16移行(iPadOS 16/MacOS Venturaでは一部対応)
※下記「☆」付の項目についてはLiDAR搭載端末(iPhone 12 Pro以降のProモデル/2020年以降のiPad Proモデル)が必要
2. 認識対象
・シーン
・テキスト
・指差し読み上げ
☆人
☆ドア
※次期ベータ版で書類・家具に対応

⚙ Lookout

1. 対応端末/OS
・Android 6.0以降(メーカー/デバイスにより前後)
※カメラ・CPUの性能により利用できる機能が異なります
2. 認識対象
・テキスト
・ドキュメント
・探索(ドア/家具/人等)
・通貨
・食品ラベル
・検索(ベータ版)
・画像(ベータ版)

対応端末・認識対象については以上です。単純に対応項目数だけで比較するとLookoutノほうが優れているように感じられますが、それぞれに得意分野が異なっており適した利用シーンも違っているので、一概にどちらが良いとは言えない状況です。

それではそんな両社の違い・詳しい使い方について見ていきましょう。


2️⃣iPhone: ライブ認識の使い方

先にご紹介するのはiOS/iPadOS純正の「ライブ認識」機能です。こちらはiPhone/iPadに標準搭載されている「拡大鏡」アプリの一機能として公開されたものなのですが、現在では拡大鏡を経由せず、VoiceOverの付属機能として利用することもできます。

1. 使い方

2. 特徴

ライブ認識の利点はシーンモードで教えてくれる情報量の多さ、柔軟なテキスト読み上げのオプション、そしてドア/人検出の際の距離通知機能の3点です。

(1) シーンモードでの情報量が多い
主に「ドアノブ」、「クッション」、「人物」等認識した順にその物体の名前を淡々と読み上げていくLookoutと違い、ライブ認識では「ベッドの上に置かれたいくつかのクッションとスマートホン」のように、写っている景色全体について詳しく教えてくれる傾向にあります。
用途・状況にもよりますが、より詳しく検出してほしい時にはライブ認識のシーンモードが役立ってくれるのではないでしょうか。
2. 柔軟なテキスト認識のオプション
Android用のLookoutを含めテキスト認識モードでは単純に写した活字が読み上げられることの多い視覚障碍者用支援アプリですが、ライブ認識では指で指し示したテキストのみを読み上げる「指差し読み上げモード」が搭載されています。
全盲の利用者にとってはあまり使いやすい機能ではありませんが、「読みにくい箇所だけ手伝ってほしい」という場面の多い弱視のユーザには便利なモードかと思います。
3. ドア/人モードでの距離通知
全盲ユーザにとって最も利便性の高いポイントの1つが、ドア/人の検出時に距離を伝えてくれる機能です。
Lookoutでもドア/人の存在(機種によっては方向)は教えてくれるのですが、ライブ認識では効果音とともに対象物との距離まで教えてくれるため、例えば電車内で空席を探したい時や列に並んでいて前の人が進んだかどうかを知りたい時、施設内でエレベーターの場所を確認したい時などに非常に役立ってくれます。

3. 注意事項

iOS18.Xでは環境によってVoiceOverの「画像の説明」機能が有効化されている場合に「シーン」モードが正しく動作しない不具合が発生しています。読み上げが始まらない場合には一度当該機能を無効化しましょう。


ライブ認識の概要・使い方については以上です。続いてAndroidのLookout機能に移っていきたいと思います。


3️⃣Android: Lookoutの使い方

iOS/iPadOSのライブ認識と同様に、Androidのスマートホン・タブレットでは「Lookout」という視覚障碍者用認識機能が提供されています。

なおLookoutはライブ認識と違い独立したアプリなので、利用する場合にはホーム画面またはアプリドロワーから探して起動しましょう。

1. 使い方

2. 特徴

Lookoutの特徴は細かく分類された認識モードの豊富さと、履歴機能の2点です。

(1) コマかな検出モードの豊富さ
Lookoutのフィードバックはライブ認識ほど丁寧ではありませんが、検出モードが細かく分類されているため、必要な情報のみを、性格に得られるという利点があります。
ライブ認識にはない「ドキュメント」や「食品ラベル」(日本では未対応)等細かく分類されているため、より素早く、確実な結果を求めている方にはお勧めです。
(2) 履歴機能
簡単に過去の認識履歴を確認できるのも、Lookoutの便利なポイントです。
難度かに分けて情報を確認・転記したい場合等、読み上げさせる度に再認識させる必要がないので用途によってはとても使いやすいのではないでしょうか。

3. 注意事項

「通貨」・「食品ラベル」モード等、機能が日本では未対応となっています。


Lookoutの詳細については以上です。

ライブ認識と比べて説明が少ない代わりに、より短時間で精度の高いフィードバックを返してくれるため、ライトユーザに使いやすい機能かと思います。


4️⃣まとめ

さて、今回はiPhone/iPadとAndroidそれぞれに標準搭載されている視覚障碍者用認識機能についてご紹介しましたが、如何でしょうか。

それぞれに一長一短あるので後は用途・好み次第というところもあるかと思いますが、日常的にスマートホンを利用されている視覚障害ユーザには非常に便利な機能がたっぷり詰まっているので、ぜひ一度使ってみてください。